妊娠初期症状っていつから出てくるの? 主な症状や生理前との違いとは
妊娠初期とは妊娠してから15週までの時期を指し、少しずつ女性の体が変化し始める頃です。パートナーとの性行為後、「そういえば月経がなかなか始まらない」「普段と体調が違う気がする」などの思いから、妊娠の可能性を考える人もいるでしょう。本記事では妊娠初期に出やすい症状を始め、月経前と妊娠初期症状の違いなどについて紹介します。
- 監修医師
-
山田光泰先生産婦人科専門医。大学病院等で不妊治療を中心とした最先端の医療に従事しつつ、厚生労働医系技官として母子保健施策の推進にも携わってきた。現在は、女性のライフステージに応じたウェルネス向上をサポートすべく、テクノロジーを活用した課題解決にも取り組む。
妊娠初期症状はいつから始まる?
妊娠初期とは妊娠〜15週目までの期間のことを指し、そのなかでも3週目ごろまでは妊娠超初期と呼びます。女性は妊娠すると少しずつ体調が変化していきますが、具体的にどれくらいの頃からどのような症状が現れるのか、分からない人もいるでしょう。そこでまず、妊娠初期の定義や、いつから初期症状が出やすいのか説明します。妊娠初期とは妊娠~15週までのこと
妊娠してから15週目(1〜4ヵ月)までの期間を妊娠初期と呼びます。妊娠周期は、最終月経開始日を起点に数えます。最終月経開始日を妊娠0週0日とし、そこから7日毎に1週、2週と数えるのです。
妊娠初期のなかでも0〜3週は妊娠超初期と呼ばれることもあり、まだ一般的には妊娠していることに気付きにくい時期です。
これって妊娠? 起こりやすい主な妊娠初期症状
妊娠によって起こる体調変化は人それぞれで、個人差がありますが、妊娠初期には特有の症状が起こる場合があります。次から紹介する体調変化を知っておくことで、妊娠の可能性がある場合に早く気づけるでしょう。おりものが増え、色やニオイが変わる
妊娠初期は人により、おりものの量が増えることがあります。また、量だけでなく、おりものの状態が普段よりサラっとしている、無色だったおりものの色が白っぽくなったり黄色っぽくなったりする、ということも。さらに、おりもののニオイが普段より酸っぱく変化する場合もあるようです。
出血がある
妊娠初期は、出血が起こらない人の方が多いですが、まれに受精卵が子宮内膜に着床する際に、出血することがあります。
着床出血が起こる場合は妊娠4週目のタイミングで起こることがほとんどで、おりものにわずかに血が混じっているようなケースや、通常の月経時程度の出血が起こるケースなど、その出血量には個人差があります。また、出血がある場合は、大体1〜3日程度で収まることが多いようです。
お腹の張りを感じる
妊娠すると不定期に子宮収縮が起きるため、お腹に張りを感じるようになる人もいます。これらのお腹周りの違和感は、妊娠20週以降に感じる人が多いですが、なかには妊娠初期から感じるという人も。
また、妊娠によるホルモンの変化が腸の動きに影響し、なかには便秘や下痢になる人もいるようです。
胸の張りや乳頭に痛みを感じる
女性ホルモンの変化により、胸全体が張った感じや乳頭がチクチクするような痛みを感じることもあります。これは、産後に赤ちゃんに母乳を出すため、女性の乳腺が発達していくことで起こる変化です。
嗅覚が敏感になる
これまで気にしなかったにおいが急に苦手になったり、においによって気分が悪くなったりと嗅覚が敏感になるケースもあります。
妊娠すると苦手になるものとして、例えばご飯が炊けるにおいや魚やコーヒーなどが挙げられます。
微熱が続く、熱っぽく感じる
一般的に、月経が来る頃には体温が下がり低温期となりますが、妊娠すると月経予定日あたりでも高温期が続きます。なんだか体がほてった感じがする場合や熱っぽいと感じる場合には、普段より体温が高くなっているかもしれません。
このように、高温期の原因が妊娠である場合、妊娠中期になると症状が落ち着きます。
その他の変化
他にも妊娠によるホルモンの変化により、普段に比べてイライラしたり悲しくなったりなど、気持ちが不安定になる場合もあります。また、妊娠によるホルモンの変化は、肌トラブルにつながる場合も。
さらに、味覚の変化によって食べ物の好みが変わったり、食欲が増減したりする場合もあります。食欲がない場合は無理せずに、少しずつでも食べられる物を食べるようにして、水分をしっかり取るようにしましょう。また、食欲が増える場合は、食べ過ぎによる過剰な体重増加に注意します。これは、妊娠中に体重が増えすぎてしまうと、妊娠糖尿病のリスクが上がる可能性があるためです。妊娠期間中全体を通して、赤ちゃんの成長とともに適度に体重が増えるように心がけましょう。
妊娠初期症状と生理前の症状の違いは?
腹痛や気持ちの変化など、妊娠初期と月経前、特にPMS(月経前症候群)の症状は似ている場合も多いです。
生理予定日を1週間過ぎても生理がこなければ、必ず妊娠検査薬でチェックして下さい。妊娠の可能性を感じたら。妊娠の検査方法について
妊娠している可能性がある場合、まずは自分で自己チェックをしてから、産婦人科を受診しましょう。
市販で購入できる妊娠検査薬を使用する
妊娠の可能性がある場合、自分で簡単にチェックできるのは妊娠検査薬を使った検査です。妊娠検査薬はドラッグストアなどで手軽に購入でき、尿をかけるだけで数分で結果が出ます。妊娠検査薬には月経予定日から使用できる早期妊娠検査薬や、月経予定日から1週間程度経過してから検査できる妊娠検査薬があります。
産婦人科を受診する
妊娠検査薬などで妊娠している可能性があると分かったら、早めに産婦人科を受診するようにします。産婦人科では子宮内の状態を確認したり、赤ちゃんの心拍を確認したりして妊娠の確定診断を行います。また、異所性妊娠(子宮外妊娠)のようにお母さんの命に関わる異常が見つかる場合があるため、妊娠の可能性があると分かったら必ず早めに受診するようにしましょう。
妊娠が確認されたら、各自治体で母子手帳の申請を行い、受け取ります。しかし、なかには妊娠検査薬で検査する時期が早過ぎる場合や、産婦人科への受診時期が早く、まだ赤ちゃんの心拍などが確認できない場合も。このような場合は、1〜2週間後などに再受診して再度妊娠しているかどうか検査することもあります。
妊娠初期に注意したいこと
妊娠初期は、赤ちゃんの心臓や脳など大事な器官ができる重要な時期です。赤ちゃんを健康に育ててあげるためにも、妊娠を希望する人や妊娠の可能性がある人は以下の点に気を付けて過ごしましょう。<注意したいこと>
- たばこやお酒をやめる
- カフェインの摂取量に気を付ける
- 病院を受診する際には妊娠の可能性を伝え、市販薬も自己判断で服用しないようにする
- 危険な運動や激しい運動は避ける
- 免疫力が下がるため、体調管理に気を付ける
妊娠初期症状について理解し、妊娠の可能性があれば産婦人科を受診しよう
妊娠してから15週目までを指す妊娠初期は、赤ちゃんにとって重要な器官ができる大事な時期ですが、妊娠していることに気付かない人も多い時期です。妊娠していることが分かった時に慌てないように、妊娠を希望している人や妊娠の可能性がある人は、妊娠初期症状がどのようなものなのか、しっかり理解しておきましょう。月経予定日を過ぎても月経がなかなか来ない場合は、妊娠検査薬で自己チェックし、陽性判定が出たらできるだけ早めに産婦人科を受診しましょう。妊娠中は、赤ちゃんと一緒に健やかに過ごせるように、生活習慣に気を付けながら過ごしてくださいね。