デリケートゾーンがかゆい! 生理中のナプキンかぶれ。対処法や対策とは?
生理中にナプキンを使用すると、デリケートゾーンのヒリヒリ感、かぶれ、かゆみなどを感じることもあるはず。生理中は汗や経血などで特に蒸れやすく、皮膚かぶれが起こりやすい状態です。また、デリケートゾーンは皮膚が薄いため、弱い刺激でもかぶれてしまいやすいのです。そこで今回は、生理中のナプキンかぶれやかゆみが起こる原因と対処法、対策などについて紹介します。
- 監修医師
-
陣内理子先生産婦人科専門医、医学博士。久留米大学(2011年)、順天堂大学大学院卒業。大学病院及び関連施設に従事し、2016年より2年間ヨーテボリ大学留学。一般婦人科、不妊治療、周産期、無痛分娩。
ナプキンかぶれの症状って?
ナプキンかぶれは「接触性皮膚炎」といい、症状には、蒸れによるかゆみや熱を帯びているようなほてった感じ、ヒリヒリとした刺激感などがあります。また、かぶれがひどくなると皮膚がただれてしまう場合も。ただれとは、水膨れが摩擦などにより皮膚の表面が傷つき破れるなどして、皮膚の内側にある真皮が露出してしまう状態のことです。ナプキンかぶれが起こる原因
ナプキンかぶれが起こる原因は、主に蒸れと摩擦です。まずは、その原因について解説します。蒸れやナプキンとの摩擦によるかぶれ
ナプキンを使用しているときにデリケートゾーンがかぶれる原因の1つは、蒸れ。これは、サニタリーショーツやナプキンを装着することで、普段より通気性が悪くなっていることで起こります。生理の経血だけでなく、長時間座りっぱなしでいることや、運動による汗などでも、ナプキンで覆っているデリケートゾーンが普段より湿った状態となります。
また、ナプキンに吸収しきれない経血や汗が、元々皮膚が薄く敏感であるデリケートゾーンに刺激を与えて、かぶれてしまう場合も。さらに、ナプキンとの摩擦によりかぶれてしまう場合もあります。
抵抗力の弱まりも、デリケートゾーンがかぶれてしまう原因の1つです。例えば、生活習慣の乱れ、ストレスや疲労、加齢などにより、身体の抵抗力が弱まっている可能性があります。そうすると、汗やナプキンとの摩擦など、ちょっとした刺激がナプキンかぶれにつながってしまうのです。
ナプキンかぶれが起きたときの対処法
ナプキンの使用中にデリケートゾーンがかぶれてしまったら、まずはできるだけ患部を清潔にするよう心がけましょう。それでも状態が改善しない場合には、自己判断で薬を使用せず、病院を受診します。ここでは、実際にかぶれてしまった時の対処法について紹介します。できるだけ患部を清潔にする
デリケートゾーンにかゆみを感じたら、まずはできるだけ患部を清潔にします。先述したように、生理中は汗や経血などでデリケートゾーンが汚れやすい状態です。経血がある場合にはこまめにナプキンを交換したり、トイレのビデ機能などでデリケートゾーンについた経血を洗い流したりして、汚れが長時間付着しないようにします。
また、入浴時の患部の洗い方は、お湯で洗い流す程度にします。傷ついたデリケートゾーンをタオルやボディソープなどでごしごしと洗ってしまうと、逆に症状を悪化させてしまう場合もあるため、気を付けましょう。
病院を受診する
患部を清潔に保つよう気を付けていても、デリケートゾーンのかぶれが改善しない場合には、自己判断で市販薬などで対処するのではなく病院を受診するようにしてください。症状がなかなか改善しない場合は、単なる皮膚かぶれではなく、感染症などの病気である可能性もあります。また、かぶれている状態やただれてしまっている状態をそのままにしておくと、細菌感染を起こしてしまう可能性もあります。
病院を受診する場合には、産婦人科や婦人科、皮膚科などを受診してくださいね。
ナプキンかぶれを起こさないための対策
ナプキンかぶれを起こさないように、生理中は特にデリケートゾーンを清潔に保つことが大切です。ここでは、ナプキンかぶれを起こさないための対策について具体的に紹介します。デリケートゾーンを清潔に保つ
先述したように、デリケートゾーンはできるだけ清潔に保つことが大切です。トイレのビデ機能を利用したり、デリケートゾーン専用のウエットティッシュを使ったりすること、また、入浴時の洗い方に気を付けながらできるだけ汚れが残らないようにしましょう。
ナプキンはこまめに交換する
デリケートゾーンに汗や経血など刺激となるものが長時間付着しないよう、生理中はこまめにナプキンを交換します。最近では通気性の良いナプキンや、摩擦が少なく肌にやさしいオーガニックコットンタイプのナプキン・布ナプキンなども市販されています。自分の体に合うナプキンを使用するようにしてください。
ナプキン以外の生理用品に変えてみる
自分の肌に合うナプキンがない場合には、タンポンや月経カップなどナプキン以外のものを使用してみるのも手です。タンポンや月経カップなどは、デリケートゾーンへの摩擦も減るため、肌への負担も軽減されます。また、通気性の良い吸水ショーツなどを使用してみるのも良いでしょう。
体調管理に気をつける
免疫力が低下していると、ちょっとした刺激で炎症が起きるなど、皮膚も敏感になってしまいます。そのため、体調管理も大切です。十分な睡眠とバランスのとれた食事を心がけ、特に生理中はストレスをためないようにゆったりと過ごすようにしてください。
これはナプキンかぶれ? 生理中の気になる悩み&リスク
生理中はデリケートゾーンのかぶれに加え、ニオイやかゆみなどの症状がある場合に感染症の可能性など、他にも気になる症状がある人もいるでしょう。そこで最後に、デリケートゾーンのニオイや感染症のリスクについて紹介します。デリケートゾーンのニオイ
生理中のデリケートゾーンはナプキンかぶれに関係なく、汗や経血などにより、ニオイが気になることも多いです。ニオイ対策としても、ナプキンのこまめな交換や、入浴時にやさしく洗って清潔に保つことは大切です。また、アンダーヘアを短く処理したり脱毛したりして、経血が付着する面積を小さくすることもニオイを軽減することにつながります。さらに、通気性の良いナプキンの使用やスカートを履くなどの対策も良いでしょう。
感染症などの可能性
生理以外のときでも、かゆみを感じていたりしませんか? デリケートゾーンにかぶれやかゆみなどの症状がある場合、腟カンジダ、トリコモナス腟炎、性器ヘルペス、細菌性腟症などの感染症を起こしている可能性もあります。感染症の場合は、早めに治療した方が良いため早期受診が重要です。
また、感染症の場合、一度治っても再発する可能性もあります。生理のとき以外でもおりものの性状(性質や状態)やニオイなどを観察し、普段と異なると感じたら受診するようにしてくださいね。
デリケートゾーンを清潔に保ち、ナプキンかぶれを予防しよう
皮膚が薄く刺激を受けやすいデリケートゾーンは、日頃から清潔に保つことが大切です。生理中はこまめにナプキンを交換したり、入浴時にやさしく洗ったりなどしてデリケートゾーンを清潔に保つよう意識しましょう。また、デリケートゾーンのニオイが気になったり、かぶれの原因がナプキンではなく感染症だったりする場合もあります。気になる症状があれば、できるだけ早めに婦人科・産婦人科、または皮膚科を受診するようにしてくださいね。