【連載】私がピルを始めた理由「休み時間ごとにナプキンを交換していた」〜 S.Y.さんの場合〜

生理痛、PMS、避妊目的など、ピルを飲み始めるきっかけは人それぞれ。「興味はあるけど、相談できる人がいないし不安……」。そんな読者の皆さんに、実際に低用量ピルを服用している(していた)人のリアルな体験談を紹介します。どんな理由ではじめたの? 副作用は? どう変わった? など、気になる疑問をぶつけてみました!

S.Y.さんのプロフィール
東京都在住の会社員、25歳。低用量ピルを服用し始めて2年目。現在服用しているピルは「トリキュラー」。

自分が「過多月経」だとは分からなかった

教室にいる女子学生

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編集部

過多月経には、いつごろから悩んでいたんですか?

「思春期の頃からです。学校では休み時間ごとに生理用ナプキンを交換していました。ただ、当初はそれが『過多月経』だということに気づいていなくて、なんとなく友人と生理について話していたときに『あれ? もしかして私の経血量って多いのかな』と漠然と思っていました。それでも、実際に人と比べて量が多いのか確かめようもなかったし、解決策も当時は分からずにただモヤモヤとしていました。友人と生理について話すとしても『生理2日目が辛い』とかくらいでしたし、具体的な悩みとかまでは話したことはなかったです」

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編集部

思春期は特に、具体的な悩みまでは話しづらい時期ですよね。過多月経だと分かったのはいつ頃なんでしょう?

「人よりも経血量が多いんだとハッキリしたのは、社会人になってからです。学生のときと違って、会社ではミーティングが続いたりすると頻繁にトイレに行くこともできず、生理用ナプキンとタンポンを併用していました。それでも外出先で服を汚してしまったり、朝起きたときにベッドを見て落ち込んだり……。毎月生理が近づくたびに『またあの日々が始まるのか』と憂うつでしたね」

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編集部

社会人になって余計に生理が負担に感じ始めたんですね。低用量ピルを服用したきっかけは何だったんですか?

「24歳のときに友人に『生理が遅れている』と相談したことがきっかけです。コンドームで避妊はしていたのですが、100%の避妊はできないということは分かっていたので、生理が少しでも遅れると不安になることがあったんです。それで、友人に生理周期の遅れを相談したら、たまたま彼女が避妊目的でピルを服用していて、ピルで生理周期をコントロールできることを知りました」

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編集部

過多月経のことでなく、生理周期で相談したことがきっかけだったんですか?

「はい、それがピルを調べ始めるきっかけでした。それから、ネットで低用量ピルのことを調べ始めたら、過多月経にも効果が見込める、ということが書いてあって驚きました。それまで『低用量ピル=避妊目的』のイメージでしたし、そもそもピルで過多月経の改善もできるとは思ってもいませんでした。でも、不安だったのは副作用のこと。薬なので、もちろん多少は副作用があるということは理解していたのですが、どうしても副作用にばかり目が行ってしまって不安ばかりがふくらみました。それでも、悩みが解決されるかもしれないなら!と、勇気を振り絞って婦人科に話を聞きに行ってみることにしました」

医師に直接話を聞くことで、フラットに判断できた

医師と患者

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編集部

副作用への不安が大きかったのに、すごい勇気ですね…!

「婦人科に行ってみたかった、という興味が強かったのも理由です。年齢的にも『一度は婦人科検診に行った方がいいんだろうなぁ』とは思ってはいたのですが、婦人科がどんな雰囲気なのか分からなかったので、ついつい後回しにしていました。いい機会だから、ピルの相談とあわせて、婦人科をのぞいてみよう!と思ったんです。

実際に医師に詳しく話を聞いてみたら、ピルの副作用のリスクと期待できる効果について、フラットに判断することができました。ネット記事の文章だけだとどうしてもマイナスな部分ばかり目に入ってしまうんだなぁ、とそのとき改めて思いましたね。結局、私は服用を選択しました」

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編集部

医師に悩みを相談した上で直接話を聞くと、やはり信頼度が違いますよね。服用し始めて変化は感じられましたか?

「生理周期はもちろん、長年悩んでいた過多月経も解決されました。経血量も減って、意識しないとナプキンの交換をし忘れそうなくらいです(笑)。あと、思いがけずうれしい効果だったのが、肌荒れがほとんどなくなったこと。ピルを飲むようになってから『肌きれい〜!』と言われるようになりました

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編集部

期待していた以上にメリットを感じられたんですね!

毎月の生理が憂うつだった自分が嘘のように、今では生理に対して負担を感じることがなくなりました。幸運にも私は副作用がなかったのも大きいのですが、あのときに勇気を出して婦人科を受診してよかったな、と改めて思います。ネット記事って、良いことよりもマイナスな情報がフォーカスされがちな側面もあると思います。生理やピルは医療分野なので、不安なら、専門家である医師にまずは相談しに受診してみるだけでもいいかと思います!」

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編集部

ありがとうございました!

産婦人科医コメント
山田光泰先生
山田光泰先生
ご自身が過多月経なのか、判断基準が分からず悩んでいる、もしくは気付いてもいない方は意外といらっしゃいます。目安として、夜用のナプキンが1時間ももたない場合は過多月経の可能性が高いです。子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどの疾患が隠れている可能性があり、放っておくと貧血になってしまうため、経血量のせいで日常生活に少しでも支障があったり、不安を感じたら、まずは婦人科を受診してください。また、S.Y.さんのように低用量ピルの副作用に不安を感じる人や、実際に副作用で服用が難しい場合は、ピル以外の治療法・選択肢を提案することもあります。ご自身の状況や症状をもとに、最適な治療法を提案しますので、ネット記事だけで判断せず、ぜひ直接医師に相談してみてください。

※過多月経・月経不順などの症状は低用量ピルを服用することによって改善が期待されますが、効果・効能・副作用のあらわれ方には個人差があります。また、まれに副作用が起きる場合もあります。医師の診察をうけ、指示された適切な服用方法をお守りください。

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