【はじめての婦人科】「不正出血」での検査費用はいくら? 何するの?

女性特有のトラブルで強い味方となってくれる、婦人科。「いくらかかるの?」「どんな検査をするの?」など受診前には気になるものですよね。そこでこの記事では、悩み別の検査内容と料金をリサーチ! 今回は「不正出血(生理以外の出血)」ではじめて受診を決めたBさんを例に紹介します。

※本記事で紹介する検査内容は、産婦人科医監修のもと「不正出血」で想定される初診での検査についてです。医療機関によっては、記載した内容に追加・変更がある場合もあります。また、各料金はsai+journal調べによる参考金額を提示しています。再診や処方の詳細な金額については、受診予定の各医療機関に問い合わせてください。

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Bさんのプロフィール
28才。出産、婦人科受診の経験なし。数日前、生理(月経)でもないのに2日連続、少量だが出血した。初めての経験だったので、なにか病気ではないかと急いで婦人科受診を決めた。付き合っているパートナーはいるが、セックスの際は毎回コンドームで避妊をしている。

「不正出血」で必要な検査と金額

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不正出血とのことですが、今回が初めてですか?

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はい、今まで生理以外で出血したことはないです。

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最後の生理はいつでしたか?

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細かくは覚えてないんですが、確か2週間前くらいだったかと思います。

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ありがとうございます。問診票によると「妊娠の可能性がある」とのことですね。

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避妊はしているつもりですが、可能性はゼロではないかなと思って……。

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では、妊娠検査もしておきましょう。現在、お腹や腟の周辺など、どこかに痛みはありますか?

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いえ、特に痛みはありません。

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わかりました。不正出血はさまざまな可能性が考えられるので、いくつか検査を行っていきますね。

「不正出血」の初診では、下記の検査や項目の中から、状況に応じて必要な検査を行います。基本的には保険適用なので、多く見積もって10,000円程度あれば安心です。なお妊娠検査については、医師の判断等によって保険の適用/非適用が変わる場合があります。

検査名/項目 目安金額(保険適用の自己負担分)
初診料 約800〜1,000円
血液検査 約2,000~3,000円
内診 診察料に包含される
経腟(けいちつ)超音波検査 約1,500円〜2,500円
子宮頸がん検査 約1,000〜2,000円
検査名/項目 目安金額
妊娠検査 約500〜1,000円

血液検査:血液中のホルモン(エストロゲン、卵胞刺激ホルモン、黄体ホルモン、プロラクチン、甲状腺刺激ホルモンなど)の値を調べます。通常の血液検査と同じく、腕から採血を行います。

妊娠検査:尿検査によって、妊娠成立後に胎盤から分泌されるホルモン(hCG)の値を調べます。このほか、経腟超音波でもあわせて確認します。

内診:目で見て診察すること(視診)、実際に指で触れて診察すること(触診)の2つの診察をあわせて「内診」といいます。視診では、まず外陰部にできものや炎症所見がないかを確認します。その後、クスコという専用器具を腟口から挿入し、腟壁、子宮頸部(子宮の入口)、分泌液(おりもの)に異常がないか確認します。触診では、実際に指を腟口から挿入し、子宮や卵巣のサイズ・可動性・痛みなどを確認することで、炎症等が起きていないかを診断します。この内診の際、経腟超音波検査や子宮頸がんの検査をあわせて行うことがあります。

経腟超音波(経腟エコー)検査:子宮や卵巣に異常がないかを超音波検査で確認します。腟の中に細長い機械(プローブ)を挿入して行います。

子宮頸がん検査:子宮頸部に異常な細胞がないかを確認する検査です。内診の際、ブラシのついた専用の器具で擦って細胞を採取します。

【当日の服装・持ちものチェック】
服装
内診・超音波検査は内診台で行うため、次のような服装が◎
✔着脱が不要なスカート
✔脱ぎやすい靴

持ちもの
検査は保険対象となります。また、検査後に若干の出血も考えられます
✔保険証
✔生理用ナプキン

※検査結果が出るまでに、基本的には数日〜1週間程度かかります。

=後日=

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全ての検査結果をあわせると、Bさんの不正出血の原因は「排卵出血(中間期出血)」と考えられます。

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「排卵出血」って……なにかの病気ですか?

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いえいえ、病気ではありませんので安心してください。排卵の際、ホルモン値の一時的な変動によって子宮内膜の一部が剥がれ落ちて出血してしまうことがあるんです。これは珍しいことでもなく、誰にでも起こりうることです。

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よかった! 初めてのことだったのですごく不安でした。

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そうですね。今回は「排卵出血」という検査結果でしたが、不正出血には、妊娠や病気が原因の場合もあります。病気が原因の場合、子宮頸がん・子宮体がんにつながる可能性もあるので、注意が必要なのは変わりません。

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今後も不正出血があったら、毎回検査をした方がいい、ってことですか?

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もちろん、毎回検査を行うのに越したことはありません。ただ、例えば生理周期をしっかりと自分で把握していて、排卵期前後の出血が数カ月に一回ある、という程度でしたら心配しすぎることはありません。

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排卵期がいつかなんて正直あまり気にしていなかったんですが、意識してみます。

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生理周期の記録は妊娠や病気の早期発見にも役立ちます。最近はアプリでも簡単に記録できるので、ぜひ記録を習慣づけてみてください。

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はい! ちなみに、排卵期以外の不正出血が起きてしまったら、やはり受診は必須ですか?

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はい。その場合はできる限り早めに受診してください。特に注意したいのは、①2週間以上少量でも出血が続くとき、②不正出血の頻度が高いとき、③不正出血のほか腹部などに痛みをともなう場合。1つでも当てはまったときは、すぐにでも婦人科を受診することが大切です!

不正出血は、不調サインの可能性大!

今回のBさんの診察結果「排卵出血」は、一時的なホルモンの乱れによって起こります。そのほか、病気による炎症や感染症、がんなど、妊娠にともなう出血以外の不正出血の多くは、基本的に身体のどこかに不調があるということには変わりません。日頃から定期的に検診を受けておくことはもちろん大切ですが、不正出血があった場合は、そのサインの原因が何なのかをなるべく早く検査してもらうことが大切です。また、自分の生理周期はしっかりと把握しておきましょう。病気や妊娠の発見など、婦人科受診の診察でも生理周期の記録はとても重要な情報です!

 

監修医師
山田光泰先生
山田光泰先生
産婦人科専門医。大学病院等で不妊治療を中心とした最先端の医療に従事しつつ、厚生労働医系技官として母子保健施策の推進にも携わってきた。現在は、女性のライフステージに応じたウェルネス向上をサポートすべく、テクノロジーを活用した課題解決にも取り組む。

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