【はじめての婦人科】「生理不順」での検査費用はいくら? 何するの?

女性特有のトラブルで強い味方となってくれる、婦人科。「いくらかかるの?」「どんな検査をするの?」など受診前には気になるものですよね。そこでこの記事では、悩み別の検査内容と料金をリサーチ! 今回は「生理不順(月経不順)」ではじめて受診を決めたAさんを例に紹介します。

※本記事で紹介する検査内容は、産婦人科医監修のもと「生理不順」で想定される初診での検査についてです。医療機関によっては、記載した内容に追加・変更がある場合もあります。また、各料金はsai+journal調べによる参考金額を提示しています。再診や処方の詳細な金額については、受診予定の各医療機関に問い合わせてください。

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Aさんのプロフィール
26才。出産、婦人科受診の経験なし。これまでも3ヵ月程度生理がないことがあったが、不摂生が原因だと考えていて特に心配はしていなかった。友人に何気なく話したところ、病気のリスクについて言われ、念のため婦人科を受診することに。将来的には子どもがほしいと思っているが、現在パートナーはいない。

「生理不順」で必要な検査と金額

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問診票を拝見しますね……妊娠の可能性は全くない、とのことですね、わかりました。生理不順は具体的にいつごろから、どのくらいの頻度で起こっていますか?

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20代に入ってからで、年に3,4回程度です。

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いつもどのくらい遅れますか?

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2カ月くらいですかね。たまに3カ月以上のときもあります。仕事が忙しくて、睡眠不足やストレスが原因だと思ってたんですが、友達に病気かもって言われて……。

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わかりました、ちゃんと生理は来るけれど間隔がバラバラなんですね。最近ダイエットやスポーツで急激に体重が減ったりとか、仕事で強いストレスがあるとか、そのほか何か変わったことはないですか?

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いえ、特にはなくて…多分元気です!

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良かったです! それでは、原因を調べるためにまずは今日、超音波検査と血液検査をさせて下さい。

 

生理不順の初診では、一般的に下記の検査や項目が必要とされています。保険適用なので、多く見積もって7,000円程度あれば安心です。

検査名/項目 目安金額(保険適用の自己負担分)
初診料 約800〜1,000円
血液検査 約2,000~3,000円
経腟(けいちつ)超音波検査 約1,500円〜2,500円

血液検査:血液中のホルモン(エストロゲン、卵胞刺激ホルモン、黄体ホルモン、プロラクチン、甲状腺刺激ホルモンなど)の値を調べます。通常の血液検査と同じく、腕から採血を行います。

経腟超音波(経腟エコー)検査:子宮や卵巣に異常がないかを超音波検査で確認します。腟の中に細長い機械(プローブ)を挿入して行います。

【当日の服装チェック】
超音波検査は内診台で行うため、次のような服装が◎
✔着脱が不要なスカート
✔脱ぎやすい靴

※検査結果が出るまでに、基本的には数日〜1週間程度かかります。

=後日=

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先日の超音波検査の所見と、血液検査の結果から、Aさんの生理不順の原因は「多のう胞性卵巣症候群(PCOS)」と考えられます。

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びょ、病気だったんですね!?

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今は、そんなに心配しなくて大丈夫ですよ。実はこの病気は、生理がある女性の5〜8%くらいが該当すると言われていて、ものすごく珍しい病気というわけでもないんです。 この病気の本質は、わかりやすく言うと「排卵障害」。色々な原因が関わっていて複雑なんですが、毎回スムーズに排卵ができるわけではないため、生理がある月とない月がある、という病気です。

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なにかリスクとかあるんでしょうか……?

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まず、妊娠がしづらいということがあります。将来的に妊娠を希望している場合は、いざ妊娠したい!と思った際には念頭に置いておく必要があります。ただ、絶対に自然妊娠できないということではないので心配し過ぎることはありません。心配なのは「子宮体がん」のリスクです。

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がん!?

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このまま放置し続けた場合は、という前提ですので安心してくださいね。本来、生理は子宮の中の子宮内膜という組織が剥がれ落ちて排出されること。それが、生理が来ない人の場合、子宮内膜が排出されずに増殖し続けてしまうんです。 3カ月以上生理が来ないことが多い人の場合、子宮体がんや、その前段階の「子宮内膜増しょく症」になってしまうリスクが上がると言われています。

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うう……怖い。治療はできるんでしょうか?

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PCOSを根本的に治療することはできないんですが、定期的に生理をしっかり起こしてあげれば大きな心配は要りません。Aさんの場合は将来妊娠を希望されている、とのことなので、低用量ピルや中用量ピルの服用で定期的に生理を起こしてあげるのが良いでしょう。今すぐ妊娠を考えている人の場合は、排卵誘発剤をうまく使うことでリズムを付けることもできます。しっかりと生理をコントロールすれば子宮体がんのリスクも上がりません。今後、しっかりと経過観察していきましょう。

3カ月以上の生理不順がある場合は、すぐに受診を

今回のAさんの場合は「多のう胞性卵巣症候群(PCOS)」という診断結果でした。生理不順の原因も治療法も人それぞれ。目安として、3カ月以上生理がない場合は、放置せずに一度婦人科を受診してくださいね。あわせて、アプリなどで自分の生理周期を記録しておくと問診もスムーズに進むので、日頃から習慣づけるようにしましょう!

 

監修医師
山田光泰先生
山田光泰先生
産婦人科専門医。大学病院等で不妊治療を中心とした最先端の医療に従事しつつ、厚生労働医系技官として母子保健施策の推進にも携わってきた。現在は、女性のライフステージに応じたウェルネス向上をサポートすべく、テクノロジーを活用した課題解決にも取り組む。

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