【連載】私がピルを始めた理由「不規則な生活による生理不順」〜 きんちゃんさんの場合〜
生理痛、PMS、避妊目的など、ピルを飲み始めるきっかけは人それぞれ。「興味はあるけど、相談できる人がいないし不安……」。そんな読者の皆さんに、実際に低用量ピルを服用している(していた)人のリアルな体験談を紹介します。 どんな理由ではじめたの? 副作用は? どう変わった? など、気になる疑問をぶつけてみました!
きんちゃんさんのプロフィール
きんちゃんさん。名古屋在住の会社員、34歳。ピルを服用していたのは、東京の大学院生だった22歳〜24歳の3年間で、現在は2人の娘のママ。当時服用していたピルは「トリキュラー」。
大学院の研究が忙しくて、とつぜん生理不順に
もともと、生理で悩みがあったんですか?
「大学までは特に不安要素はなかったんです。周期も乱れることはなかったし、生理痛やPMSもガマンできる程度で。それが、大学院生になってからは研究室にこもりっきりで研究をする生活を送るようになり、大学に泊まることもしばしばありました。ごはんもコンビニやファーストフードなど簡単なものですませることが多くなり、そのせいか、とつぜん生理不順に。
当時のパートナーとセックスする際はコンドームで避妊していましたが、100%避妊できるわけではないのは知っていたので、周期がズレて遅れる度に『妊娠したかも!』と焦っていました。学生だったし、結婚や出産もまだ考えていなかったので不安でした」
生理不順と避妊に不安を感じていた、と。低用量ピルは知っていたんですか?
「名前だけは知っていましたが、ちゃんと調べたことはなくて。漠然と『避妊するために飲む薬』というイメージでした。大学院の生活は自分で変えることはできないですし、だからといって毎回生理が遅れるたびに不安になるのは精神的にも良くない状態だな……とネットで調べてみたんです。それで、低用量ピル良さそう!と思って婦人科を受診することにしました。
『ピルは避妊目的=性にゆるい』という先入観がまだ当時は強かったので、ピルに詳しくない家族が知ったら心配するんじゃないかな、と不安だったのは正直なところ。でも、友人の後押しもあって、一度試すだけ試してみようと服用を決めました」
周期が安定したら、心も安定した
低用量ピルを飲みはじめて、変化はありました?
「相変わらずバタバタした生活を送っていたんですが、生理周期が正常に戻りました! 予定した日程通りに生理がはじまって、本当にこんなにピッタリくるの!?と驚いたのを覚えています(笑)。『今月はちゃんとくるかな』『妊娠していたらどうしよう』という毎月の不安も一掃されて、勉強や研究にも集中できたし、彼とのセックスにも安心感がありました。私の場合は特に副作用もなかったので、それも続けられた要因かも」
現在はピルの服用をやめたんですよね?
「もともと不規則な生活を送っていたことが大きな原因だったので、就職して規則正しい生活になったタイミングで服用をやめました。当時のパートナーと遠距離になったこともあって、妊娠の可能性が下がった、というのも理由の1つです。
ここ数年で2人の娘を出産しました。出産のタイミングで生理の悩みが出てくるかな、とも思ったのですが、幸いにも今は特に子宮や生理にまつわるトラブルも悩みもないため、服用の予定はありません。
以前と違って“生理痛を我慢する”っていう風潮も変わってきているし、もしも娘2人が生理で悩みはじめたら、低用量ピルも選択肢の1つとして教えてあげたいです。勉強や仕事など、人生では自分ではどうしてもコントロールできないこともあると思います。そんなとき、生理を自分でコントロールする選択肢もありだよ、と教えてあげたいです」
ありがとうございました!
- 産婦人科医コメント
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山田光泰先生不規則な生活スタイルが原因で生理不順になってしまう方は結構いらっしゃいます。一時的に周期を安定させたいという方にも、低用量ピルの服用は効果的です。身の回りの環境は、自分の力だけで変えることは難しい場合が多いですが、逆に自分自身の状態を整えるために必要な時期だけピルを使用するのも、今の時代に合った上手な使い方だと思います。
※PMS・生理痛などの症状は低用量ピルを服用することによって改善が期待されますが、まれに副作用が起きる場合もあります。また、効果・効能・副作用のあらわれ方には個人差がございます。医師の診察をうけ、指示された適切な服用方法をお守りください。