<セルフチェック付き>私は「多汗症」?それとも汗っかき?

暑さや運動後、緊張したときなどに人よりも多く汗をかいてしまう場合、多汗症という病気の可能性があります。多汗症はれっきとした病気の一つで、皮膚科での治療が可能です。そこで、汗っかきと多汗症の違いや多汗症の場合の治療の選択肢について、皮膚科医の千原先生に詳しくお聞きしました。

教えてくれたのは…
千原 真未 先生
千原 真未 先生
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、医学博士。オンライン診療×対面診療のハイブリッドな医療サービスを提供するクリニックフォアで、皮膚科だけではなく、内科・アレルギー科などプライマリーケアを実践。大学病院で診療と研究に従事した経験を基に、質の高い医療情報の啓蒙を目指しさらなる研鑽に努める。

日常生活が送れないほど悩んでいるなら、それは「多汗症」

汗を拭く女性
汗っかきは、ただ汗をたくさんかいている状態のこと。一方で多汗症とは日常生活に支障が出るほど大量の汗をかいてしまう症状のことを指します。

私たちの体は適度に汗をかくことで体温調節を行っています。しかし、人によっては体温調節に必要な量よりもたくさん汗をかいてしまい、日常生活に支障が起きてしまうことも。これを多汗症といい、多汗症には感染症、内分泌代謝異常や神経疾患、腫瘍など発汗の原因となる病気があって起こる「続発性多汗症」と、明らかな原因がない「原発性多汗症」があります。

私って多汗症……?セルフチェック

ここで、多汗症と疑われる際のチェックポイントをご紹介します。多汗症かどうか気になる!という人は、当てはまるものがあるかチェックしてみましょう。2つ以上当てはまる人は、多汗症の可能性が高いです。
多汗症チェックリスト

多汗症は治療できる!保険適応になるケースも

診察風景
汗のかきすぎで悩んでいるなら、皮膚科での治療を検討してみても良いかもしれません。そこで皮膚科医の千原先生に、治療の種類にはどんなものがあるのか聞いてみました。

<処方薬による治療>塗り薬や飲み薬なら治療を始めやすい

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千原先生

多汗症には外用薬(塗り薬)、もしくは内服薬での治療が一般的です。外用薬の場合、汗をかきやすい部位に塗布することで汗腺そのものをピンポイントでブロックし、発汗を抑えます。内服の場合は全⾝どの部位の多汗症治療にも用いることができるのが特徴です。

治療は保険適応でできる?
抗コリン薬(外用薬)・・・脇の多汗症に関しては保険適応あり
塩化アルミニウム液(外用薬)・・・保険適応なし(自由診療のみ)
抗コリン薬(内服薬)・・・一部の薬剤に限り保険適応あり

<手術・処置による治療>重症なら、注射や手術で発汗を抑えることも

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千原先生

内服や外用薬での治療以外では、同じく汗を出す信号をブロックするボツリヌストキシン(ボトックス)注射や、イオンフォトレーシスという電流を流して治療する方法もあります。交感神経を切断することで汗を抑制する手術もあるのですが、代償性発汗(胸・背中・お尻などからの汗が異常に増えてしまうこと)を発症してしまうことが多いため、まずは手術以外の方法で治療を始めることがほとんどです。

治療は保険適応でできる?
ボツリヌストキシン(ボトックス)注射・・・脇の多汗症に関して、一部の薬剤に限り保険適応あり
イオンフォトレーシス・・・保険適応あり
交感神経遮断術(手術)・・・保険適応あり

治療の種類もいろいろ。悩んでいるならまずは皮膚科に相談を

リラックスする女性
最近では塗り薬や飲み薬など、手軽にできる治療の選択肢も増えているよう。「汗ジミが気になって着る服が限られる」「汗が気になって会話に集中できない」などの悩みがあると、外出や人前に出るのも少し億劫になってしまうもの。多汗症の悩みを抱えている人は、医師に相談して症状や悩みに合った治療方法を探してみてくださいね!

クリニックフォアの皮膚科では、対面クリニックをはじめ、オンライン診療でも多汗症の治療を行っています。気になる方はサイトをチェック!
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※クリニックフォアでは、ボツリヌストキシン注射は自由診療となります。イオントフォレーシスと交感神経遮断術については、実施しておりません。ご了承ください。

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