セックスが気持ちよくない…挿入時の痛みはなぜ起こるの?

「挿入時に痛みがあり、セックスを楽しむどころか、苦痛に感じてしまう…」そんな悩みをもつ女性は少なくありません。今回は、性行為の時の痛みはなぜ起こるのか、原因と治療方法について詳しく解説します。 

セックスが痛い…もしかして、私だけ?

性交痛とは、男性の性器を女性の腟に挿入した際に女性が感じる痛みのこと。女性のうち、8~22%が生涯で1回は経験する痛みといわれています。性交痛が起こる原因は、生理現象から病気によるものまで、さまざまです。

病気でない場合の原因として多いのが、「濡れる」という言葉で表現されることが多い、膣内の潤い不足。女性は性的な興奮が高まってくると、下半身に血液が流れ込むようになります。

下半身に血流が増えてくると、腟壁周辺に張り巡らされている毛細血管が拡張し、腟の粘膜から潤滑液がしみ出ることで、濡れるという現象が起こるのです。十分に潤滑液が分泌されていない状態で男性器が挿入されると、男性器と腟壁が擦れて痛みを伴うことがあります。

潤滑液の分泌が不十分な場合にはさまざまな理由が考えられますが、大きく分けると、心理的な原因と女性のホルモンサイクルによる原因、そして病気が原因によるものがあります。

痛みの原因①ストレスや緊張、前戯不十分

心理的な原因としては、ストレスや緊張、前戯不十分なことが挙げられます。女性の膣から分泌液を出すためには、性的な興奮が高まり、下半身の血流が増えることが必要であるため、性的興奮を感じることなくいきなり挿入をした場合などに痛みを感じることがあります。

また、初めて性行為をする場合や、過去に性行為に対して良い印象をもてなかったという場合には、緊張やストレスによって、前戯を十分に行ったとしてもなかなか濡れてこないことがあります。

痛みの原因②更年期、出産

次に、女性ホルモンのサイクルによる原因としては更年期、出産が挙げられます。更年期にさしかかると女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量が低下し、腟や皮膚のハリ、弾力が失われていきます。潤滑液も充分に分泌されなくなるため、性交痛を感じやすくなります。

また、出産後は月経サイクルが安定してくるまで、ホルモンバランスが出産前とは異なります。それに加えて出産時にできてしまった腟の出口の傷や、会陰切開の痕のひきつれによって裂けてしまったらどうしようと緊張や不安を感じ、筋肉がこわばることで痛みを誘発することもあります。

痛みの原因③病気

性交痛の原因として、病気が潜んでいる可能性も考えられます。

1つ目は動脈硬化です。加齢や糖尿病などの原因により、動脈硬化が起こり血管の壁が硬くなると、性的な興奮があったとしても、潤滑液の分泌が不十分となり、痛みの原因となることがあります。

2つ目は性感染症です。性感染症によって膣や子宮、卵巣などに炎症が起こっていた場合に性交痛が起こります。

3つ目は婦人科系の病気です。子宮筋腫、子宮内膜症などの疾患がある場合、病気が原因で性交痛が起こることがあります。

他にも外陰部に病的な原因がある場合や、生まれた時から性器の形が他の方と異なるという先天的奇形があるという場合には性行為によって痛みが伴うこともあります。

性交痛はどうやって治せばいいの?

心理的な原因による痛みの場合、医薬品などを使用した治療方法は今のところありません。そのため、話し合ってパートナーと関係性を築いたり、市販されている潤滑剤を使用したりすることが、最も手軽に性交痛を緩和できる方法といえます。心理的な不安が強く、家庭内で解消が難しい場合には第三者によるカウンセリングを受けてみることをおすすめします。

閉経や更年期など、女性ホルモンの減少が原因となっている場合は、ホルモン補充療法、すなわちお薬を使って不足しているホルモンを補うことで改善が期待できます。また、漢方薬を使用する場合もあります。

病気が原因という場合には基本的に病気の治療を行わなければ性交痛が改善することはありません。しかし、性交痛は健康な女性でも経験することがある痛みなので、性交痛のみで病気かどうかを見極めることは非常に難しいともいえます。性交痛が一定期間以上続いたり、病気以外の原因は無さそうなのに、性交痛が改善されないという場合には、医療機関に相談しましょう。

参考文献

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