大人ニキビと食生活の関係は?気になる3つの疑問を医師が解説!
5月21日(日)はニキビの日。肌をすこやかに保つためには、スキンケアだけでなく、バランスのとれた食生活がとても大切です。今回は、内科専門医の田中先生に、食生活とニキビの関係について正しい知識を教えてもらいました。
- 教えてくれたのは…
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田中 智博先生日本内科学会認定内科専門医。東北大学医学部を卒業後、大崎市民病院、国立循環器病研究センターで内科疾患をはじめ心臓・血管病の高度急性期医療に従事。現在は幅広い内科的知識を活かし、質の高いプライマリーケアの実践や医療情報の提供を行っている。
Q.ニキビができる食べ物がある?
A.脂質や糖質の摂りすぎは、ニキビの発生や悪化を招く『皮脂分泌の増加』の原因になります
編集部先生、食べるだけでニキビができる食べ物があるって本当ですか?
田中先生食べるだけでニキビができる、という医学的根拠がある食品はありません。ただし、脂質や糖質の摂りすぎは皮脂分泌の増加に繋がり、結果的にニキビの原因になったり、症状を悪化させることがあるのは事実です。
編集部大人ニキビには、皮脂の分泌が関係しているんですか?
田中先生はい。ニキビは、皮脂の分泌が増加して毛穴が詰まり、皮脂が毛穴にたまってしまうことから始まります。その初期段階がいわゆるコメドです。
編集部「面ぽう」や「白ニキビ」とも呼ばれているやつですね。
田中先生そうそう。コメドの内部は、皮脂を栄養分としてアクネ菌が育ちやすい環境になっているのですが、これが炎症を起こして赤く膨れ上がることで、赤ニキビや、膿がたまると黄ニキビになってしまいます。
田中先生さらに、それだけではありません。糖質の過剰摂取で血糖が高い状態が続くと、炎症を改善したり皮膚を再生したりする力が弱まり、ニキビが治りにくくなってしまうことも。跡になるのを避けるためにも、高カロリーな食事は控えた方がよいでしょう。
編集部ついつい手が伸びてしまうスナック菓子はガマンして、普段のおやつはヨーグルトやフルーツを食べるようにします…!
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Q.コーヒーを飲むとニキビができるって本当?
A.カフェインの摂りすぎが一因になることもあります
田中先生コーヒー自体が悪いわけではないのですが、コーヒーに含まれるカフェインには、カルシウムや亜鉛など、肌の健康維持に必要なミネラルの吸収を阻害する働きがあります。これが頻繁に続くと、肌に必要な栄養分が不足して、ニキビの原因となるのです。
編集部ニキビができやすい肌状態を作ってしまうんですね。
田中先生さらにカフェインの過剰摂取によって胃酸過多になると、胃が弱ります。胃の機能が低下すると、全身に栄養が巡りにくくなり、これもニキビの原因となってしまうことがあります。
編集部カフェインを摂ると気分がスッキリする気がして、毎朝や昼休みの缶コーヒーを習慣にしていました(泣)。
田中先生飲み過ぎはよくありませんが、1日1〜2杯程度なら問題ありませんよ。でも、缶コーヒーを好んで飲んでいる人は要注意。缶コーヒーに含まれている加工ミルクには、トランス脂肪酸を含めた多くの添加物が含まれているので、これもニキビの発生や悪化につながる可能性があります。
編集部うう。確かに、あのクセになる甘さは飲み過ぎたらいけないと、なんとなく分かってはいましたが…どうしてもブラックコーヒーは苦手で。
田中先生甘くしたい場合はオリゴ糖がおすすめ。先ほど「血糖が高い状態が続くとよくないよ」というお話をしましたが、オリゴ糖は人の消化液で消化されにくい複雑な構造をしていて、血糖の上昇を緩やかにしてくれるんです。
編集部オリゴ糖は腸内環境を整えてくれるという話を聞いたことがありますが、そんな効果もあったんですね!
田中先生ほかには、栄養価の高いはちみつなんかもおすすめです。ビタミンB群をはじめとした成分が豊富に含まれているので、 肌を健康に保つ効果が期待できます。
編集部はちみつ大好きなので、試してみます!ニキビができやすい人も、飲み方を工夫することによって、安心してコーヒーを楽しめそうですね。
- ニキビをできにくくするコーヒーの飲み方
- ・多くても1日2〜3杯程度におさえる
・ドリップコーヒーやデカフェ(カフェインレス)の豆を選ぶ
・なるべくブラックで飲む
・甘くしたい場合はオリゴ糖やはちみつが◎
Q.食べる順番は関係ある?
A.野菜+たんぱく源ファーストが正解!
編集部ダイエットにはベジファーストがよいと聞いて、ふだんの食事ではサラダから食べるようにしています。
田中先生お、それは良い習慣ですね!食物繊維の多い野菜を最初に食べることで、血糖の上昇を穏やかにすることができます。また最近の研究では、たんぱく質や脂質も一緒に食べることで、この効果がさらにアップすることも分かりました。
編集部あれれ、脂質はニキビによくないんじゃなかったでしたっけ?
田中先生摂りすぎはもちろんよくないのですが、脂質は体内でゆっくり消化・吸収されるので、血糖値が急上昇しにくいというメリットがあります。適切な量と質のよい油の摂取は、美肌のサポートにもつながるんですよ。
田中先生例えば生野菜サラダを食べている人は、そこにたんぱく源であるささみや、オイルドレッシングをプラスするとGoodです!
編集部そうなんですね!質のよい油というのは何を使えばいいんでしょうか?
田中先生「不飽和脂肪酸」と呼ばれている、サバやブリなどの魚の脂質や、植物性の油脂がおすすめ。ニキビの原因になる肌の水分不足をサポートしてくれる働きもあります。
編集部あ、エゴマ油とかですよね?母が健康にいいからとよく使っていた記憶があります。
田中先生そうそう。エゴマ油やアマニ油は人気ですが、熱に弱いので、生のままドレッシングとして使うのがおすすめ。調理で加熱する場合は、米油・太白ごま油・サラダ油を使うようにすると良いでしょう。
編集部分かりました。自炊するときは意識してみます!
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