「生理前のむくみ」対策! 部位別のスペシャルケアも紹介

むくみは「必要以上に体内に水分をため込んでしまっている状態」のこと。特にPMS(月経前症候群)によるむくみは、女性ホルモンが大きく影響しています。女性の体にとって生理前の自然なリズムなので、本来はそこまで気にする必要はありません。それでも、少しでもむくみを軽減したいものですよね。この記事では、基本的なむくみ対策だけでなく、部位別のスペシャルケアについても紹介します。もちろん、生理前だけでなくいつでもできる対策なので、むくみが気になった時はぜひ取り入れてみてくださいね!

教えてくれたのは…
山田光泰先生
山田光泰先生
産婦人科専門医。大学病院等で不妊治療を中心とした最先端の医療に従事しつつ、厚生労働医系技官として母子保健施策の推進にも携わってきた。現在は、女性のライフステージに応じたウェルネス向上をサポートすべく、テクノロジーを活用した課題解決にも取り組む。

むくみの原因は1つではない

むくみが気になる女性
むくみの主な原因としては「血行不良」、「自律神経の乱れ」、女性は「生理前の女性ホルモンの影響」などが考えられます。どれか1つが原因と限ったわけではなく、いくつかが同時に影響することもあります。

特に女性ホルモンによるむくみは、自分でコントロールすることが難しいため、どうしても避けることが難しいです。そのため、生理前のむくみが気になる人は「血行不良」と「自律神経の乱れ」を意識することで、少しでもむくみを緩和することが大切です。

むくみを感じたらまずは試したい。【全身】のむくみ対策

部分的なケアも大事ですが、まずは全身ケアが一番の肝。水分をため込みにくく排出しやすい食べ物・飲み物に換えて、体を温めることを意識しましょう。体が温まることで血行もよくなり、効果が実感できるはずです。

[食べ物・飲み物の見直し]塩分を控えて、カリウムを摂る

口にするものを少し気を付けるだけでも、むくみ対策になります。食事や飲み物を選ぶ際の参考にしてみてください。

「塩分を控えて」水分をため込まない

塩分は水分をため込みやすいため、意識的に減らしてみましょう。コンビニ弁当、スナック菓子、加工食品には塩分が多く含まれる傾向があります。
どうしても濃い味が好きな人は、塩の代わりに塩分少なめのダシを使うなど工夫してみて。

「カリウムを摂って」水分を排出する

カリウムを含む食材余分な水分を排出してくれるカリウム。きのこ類、ほうれん草、アボカド、バナナ、海藻類やナッツ類に多く含まれています。

「体を冷やす食べ物・飲み物を控えて」体内を冷やさない

温かいスープ血流を促すためにも、内臓を冷やさないことも大切。冷たい食べ物や飲み物は控えましょう。野菜は温野菜やスープにするなど、体内から温めるよう意識してみてください。飲み物は常温のものやホットのものがおすすめです。

「アルコールを控えて」余計な水分をためない

アルコールも適量に摂取すれば、アルコールの持つ脱水作用により余分な水分が尿として排出されるはずです。ただし、アルコールを摂りすぎて二日酔いになると、結局水分をしっかりと摂る必要に迫られ、逆にむくみがひどくなるはめになります。

「水分は減らさず」循環を促す

「水分を摂ったら、さらにむくむのでは!?」と思われがちですが、極端に水分を減らしてしまうと、体が脱水状態と思い込み、さらに水分をため込んでしまう恐れがあります。老廃物を流すためにも水分は必要なので、日頃と変わらずしっかりと摂りましょう。

[習慣の見直し]とにかく温める&軽いエクササイズ

何気ない時間の過ごし方ひとつでも、自律神経が整い、心身ともに調子がよくなります。当たり前のようで、実はできていない!という人が多い習慣を紹介します。できてない人は、意識的に習慣化させてみてください。

「湯船に浸かって」リラックス

バスタブ体を温めるだけでなく、自律神経を安定させるためにも、湯船に浸かることは大切です。水圧でリンパ液の流れが良くなり、さらにしっかりと温まることで睡眠の質も上がります。40℃程度のお湯に約10~15分間浸かるだけでOK! バスソルトやアロマなどを加えて、香りを楽しめば、よりリラックスできます。

「適度な運動・ストレッチ」で巡りを良くする

激しい運動をする必要はありません。無理なく、気持ちいいと感じる程度のストレッチや、15分程度のウォーキングから始めてみましょう。筋肉が動くことでリンパ液や血液の巡りがよくなり、自律神経も安定します。

5分でできる!【部位別】むくみ解消法

全身のむくみ対策を行っても、どうしてもすっきりしない! とにかく今すぐ部分的にでもすっきりさせたい! という方に、ここからは部位別の解消法を紹介します。5分以内でできる簡単なものを紹介するので、ぜひ実践してみてくださいね。

[顔]ホットタオルで血流促進&リンパマッサージ

メイクの前に行いたい顔のリンパマッサージ。輪郭や目のむくみがとれてスッキリします。顔のマッサージは、ホットタオルで顔全体を温めてから行うと、リンパ液の流れが促されて効果が出やすくなります。ホットタオルは、水で濡らしたタオルを軽く絞り、電子レンジで30秒ほど温めるだけ。温度は体温よりやや高い40〜45℃程度で、やけどには十分注意してください。

【やり方】
1. ホットタオルを1〜2分顔にあてます。
2. 肌の摩擦を避けるために、たっぷりの乳液やクリーム、オイルを顔全体に塗ります。口角、小鼻、鼻筋からこめかみへのマッサージ3. 人差し指・中指・薬指の3本指を「口角」に置き、耳の前のくぼみ(こめかみ)に向かって優しく滑らせます。
4. 3と同じ指で「小鼻の脇」からこめかみに向かって優しく滑らせます。
5. 3と同じ指で「鼻筋」から目の下を通り、こめかみに向かって優しく滑らせます。眉間、生え際からこめかみへのマッサージ6. 人差し指と中指の2本指を「眉間」に添え、まゆ毛に沿って、弧を描くイメージでこめかみまで滑らせます。
7. 6と同じ指を額の「生え際中央」に添え、左右の生え際に沿ってこめかみに向かって滑らせます。
8. 3〜7をそれぞれ5回程度繰り返しましょう。こめかみから鎖骨へのマッサージ
9. 最後に、両手でこめかみ〜首の脇〜鎖骨に向かってリンパ液を流します。

[指先]手を高く上げる+グーパー運動

パソコンやスマホなど、日常生活では意外と限られた範囲でしか動かさない指先。血流も悪くなりがちなので、冷えやむくみが出やすい部分です。1分もかからずすぐにできる簡単な『グーパー運動』を取り入れてすっきりした指先を手に入れてください!

【やり方】
グーパー運動
1. 両手を心臓よりも高い位置まで持ち上げます(可能であればバンザイの姿勢が理想的)。
2. じゃんけんの「グー」と同じように、手のひらが痛くない程度にぐっと握ります。そのままの状態を3〜5秒キープ。
3. じゃんけんの「パー」と同じように、指をピンとはるように開きます。そのままの状態を3〜5秒キープ。
4. じんわりと指先が温まるまで、2と3を何度か繰り返します。

[足]足首ぐるぐる+つま先立ち

立ち仕事だけでなく、長時間同じ姿勢でイスに座っていても、足はむくみます。弾性ストッキング・着圧ソックスの着用や、睡眠時に足枕をするなどの対策もできますが、スキマ時間のちょっとしたエクササイズで帰り道の足のだるさも軽減されるはず!
※フラットシューズもしくは靴を脱いで、足首が動かしやすい状態で行ってください。

【やり方】
1. イスに座り、両手でイスの脇を持って固定します。
2. 片方の足を前に伸ばし、時計回りにゆっくり2回、反時計回りにゆっくり2回、ぐるりと回します。もう片方の足も同様に行います。かかと上げ下げ運動
3. イスから立ち上がり、こぶし1つ分足を開きます。この時、バランスを崩さないように壁やイスの背もたれに手をかけても構いません。
4. ゆっくり1秒かけて、両足のかかとを上げます。
5. 同じくゆっくり1秒かけて、両足のかかとを元に戻します。
6. 4と5を15回×3セット繰り返しましょう。

どうしても解消されない時は……

全身のむくみが長く続く場合や、顔やまぶたのはれが続いたりするようなひどいむくみの場合は、心臓や甲状腺などの病気が隠れていることもあります。内科や婦人科で相談してみましょう。PMSの際のみひどくむくむ人の場合は、漢方薬や低用量ピルによって女性ホルモンを整え、症状を軽減することもあります。