【生理前のニキビ】塗り薬・美容内服・低用量ピル…どれが正解?皮膚科医が解説します

「生理前になると、ニキビができたり肌が荒れやすい…」そんな経験をもつ女性は多いはず。今回は、生理前に肌が荒れやすい原因と、予防方法についてご紹介します。

教えてくれたのは…
圓山尚先生
圓山尚先生
クリニックフォア新橋院長。お肌の状態に合わせて「内科・皮膚科・美容皮膚科」と幅広い診療科目から最適な治療法を提案。丁寧な問診と、きめ細かな説明にも定評がある、美のかかりつけ医。

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圓山先生

まずは自分の症状をチェック!

☑︎生理前にいつもニキビや肌荒れがひどくなる
☑︎ニキビはあごや口のまわりにできることが多い
☑︎生理が終わると肌荒れが落ち着く
☑︎生理不順がある

→1つでも当てはまった人は、女性ホルモンの乱れが原因でニキビができてしまっている可能性が!

生理前にできるニキビの原因は?

生理前のニキビは黄体ホルモンと呼ばれる「プロゲステロン」が増えることで起こります。プロゲステロンには皮脂の分泌を盛んにする作用があり、過剰な皮脂がアクネ菌のエサとなって、ニキビを引き起こします。治療は、「外用薬・内服薬を使ってアクネ菌をやっつける方法」と、「ホルモンバランス自体を整えて、ニキビができにくいお肌を作る方法」の2つがあります。

01.今あるニキビを治す

まずはできてしまったニキビを治すことからはじめましょう。市販薬でも治療することは可能ですが、繰り返すニキビには処方薬を用いて、適切に治療する方が早く改善に向かうことが多いです。

【外用薬を用いた治療法】
治療には、主にアクネ菌をやっつける抗生物質(ダラシンゲルなど)や毛穴の詰まりを取るためのピーリング作用がある外用薬(ベピオゲルなど)を使います。毛穴の詰まりを取ることによって、アクネ菌のエサとなる皮脂がたまりづらくなるため、ニキビの予防にもつながります。内服薬と併用される方も多いです。

【内服薬を用いた治療法】
ホルモンバランスを整え、皮脂を抑えてくれる「スピノロラクトン」を処方することがあります。その他にも、ニキビ跡の色素沈着を防ぐ、ビタミンC配合の「シナール」などのビタミン系の内服薬を処方する場合もあります。

02.ホルモンバランスが原因のニキビができにくい肌を作る

ホルモンバランスが原因のニキビを根本から改善したい方には、低用量ピルの服用を勧めることもあります。「ニキビ薬で低用量ピル?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ピルを服用することで、皮脂の過剰分泌を促す「プロゲステロン」を抑えることができ、ニキビの改善効果があります。

低用量ピルにはいくつか種類がありますが、低用量ピルのマーベロン、超低用量ピルのヤーズが、ニキビへの効果があると報告されています。

覚えておきたい!対処法の流れ

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結局、どの順番でケアすればいいの?

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圓山先生

まずは皮膚科に行きましょう!

STEP1💊
まずは皮膚科を受診。外用薬(抗生物質とピーリング作用があるお薬)で出来てしまったニキビを治療します。

STEP2💊
症状が強く出ている場合や、皮脂の量が強く関係している場合は、外用薬と一緒に内服薬も併用します。

STEP3💊
ホルモンバランス自体を整え、ニキビができにくい体質を作りたい場合は、低用量ピルの服用を検討してください。

生活習慣の見直しも大切

生理前にできるニキビは、女性ホルモンのほかにも、肌の乾燥や食生活の乱れ、過剰なスキンケア、身体の冷え、ストレスなども関係しています。知らない間に血流が滞っていたり、胃腸の働きが弱っていることが原因の場合も。スキンケアだけに頼らず、まずは自分の生活を見直してみましょう。

※PMSの症状は低用量ピルを服用することによって改善が期待されますが、まれに副作用が起きる場合もあります。医師の助言を受けつつ、症状の改善と副作用の心配を秤にかけてみて、自分で納得ができる選択をしましょう。また、効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な服用方法をお守りください。