生理前に胸の張りを感じるのはなぜ? 原因やタイミング、つらいときの対処法も解説

生理前に胸の張りを感じたことはありませんか? 生理前はホルモンの影響で胸の張りを感じやすいですが、人によっては胸が苦しく感じたり痛みを感じたりすることもあり、不安に思う人もいるでしょう。そこで今回は、生理前に胸の張りが起こる原因と、その対処法について解説します。

生理前の胸の張りはホルモン変動が原因

生理前に胸の張りを感じるのは、ホルモンの影響だと考えられます。また生理前はホルモンの影響で、胸の張りだけでなく、人によってさまざまな症状が体に表れやすい時期。

そもそも生理は、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量の変化によって起こります。そして胸の張りは、排卵後に分泌が増えるプロゲステロンに関係して起こるのです。

プロゲステロンは排卵後7日ごろにピークを迎えます。プロゲステロンの分泌量が増えると、そのあと水分を溜めこむ作用が体に働くため、生理の3~4日前ごろから胸の張りを感じやすいとされています。その後生理がきてプロゲステロンの分泌量が減ると、胸の張りも収まっていきます。

生理前じゃないのに胸の張りを感じる場合の原因

胸の張りを感じるのは、生理前だけとは限りません。妊娠・出産を始め、生理周期に関係なく胸の張りを感じる場合、病気のサインである可能性もあります。

クリニックへの受診が必要なケースもあるので、生理以外で胸の張りが起こる原因を確認しておきましょう。

妊娠・出産による影響

妊娠すると、胸の張りを感じやすくなります。

これは、プロゲステロンが妊娠を維持するように働き、分泌量が多くなるため。プロゲステロンの影響で乳腺が発達することで、胸の張りを感じるのです。また、出産後は赤ちゃんへの母乳が急速につくられ始めるため、授乳回数に関係なく胸の張りを感じることも。

日数が経つうちに赤ちゃんの授乳間隔に応じて自然と母乳がつくられるようになるので、胸の張りも授乳間隔に応じて起こるようになります。

病気のサイン

生理や妊娠以外で胸の張りを感じる場合、病気の可能性もあります。例えば先述したように、妊娠や出産後はホルモンの影響で胸が張りやすい状態ですが、なかには乳腺炎が原因で胸が張ることも。

乳腺炎は、乳汁が詰まったり感染を起こしたりすることでなります。産後2~3週間目に最も起こりやすく、胸の張り以外にも乳房の詰まりや痛み、熱をもった感じといった症状も起こるようです。

他にも、乳がんなどの病気の可能性も考えられます。乳房を触った際にしこりを感じたり、えくぼのような凹みができたり、さらには左右の乳房の形が違ったりなどの変化を感じたら、必ず病院で検査を受けましょう。乳がんの早期発見には、がん検診が有効です。

生理前に胸の張りを感じるときの対処法

生理前数日とはいえ、胸の張りが不快に感じることもあるでしょう。そこで、少しでも快適に過ごせるように、対策を紹介します。

普段より大きめの下着を着用する

胸の張りがあり、普段の下着がきついと感じる場合は、いつもより1サイズほど大きいブラジャーやノンワイヤーのブラジャーなどを着用すると良いでしょう。胸の締め付けがなくなり、少し楽に感じられるかもしれません。

食事内容に気をつける

胸の張りを始め、生理前の不快な症状は食事内容を見直すことで緩和が期待できることもあります。例えば乳製品や魚類などのカルシウム、かつお・レバーなどビタミンB6を豊富に含む食べ物を積極的に摂ると良いと言われています。また肉や魚・卵などの動物性タンパク質や、鉄・亜鉛などもバランス良く摂ると良いと言われているようです。

生活習慣に気をつける

ホルモン分泌を整えることも、生理前の不快な症状を緩和する1つの方法です。そのためには、規則正しい生活や十分な睡眠をとるなど、生活習慣を整えることを意識しましょう。また、日頃から適度な運動をすることも覚えておきたい対処法です。ウォーキングやヨガなど、自分が無理なく行える運動を行い、血流や代謝を良くすると良いです。気分のリフレッシュにもつながり、不快な気持ちを解消できるかもしれません。

胸の張りに違和感を持ったら、婦人科を受診しよう

生理前の胸の張りは、ホルモンの影響や妊娠、病気などさまざまな原因が考えられます。生理が始まるとともに症状が改善するようなら、食事や生活習慣の見直しなどセルフケアを行うことで、不快な気持ちを軽くできるかもしれません。

しかし、しこりや痛みがなかなか改善しなかったり、生理周期に関わらず症状が継続するようなら、病気の可能性も考えられます。胸の張りに違和感を持ったら、早めに婦人科を受診してくださいね。