葉酸は妊娠に必須の栄養素?いつから摂取するべき?

妊娠を希望する方、あるいは妊娠が発覚した際に医師から摂取を勧められる葉酸。

葉酸がなぜ妊娠の際に必要な栄養素といわれるのでしょうか。医師が詳しく解説します。

なぜ妊娠に葉酸が必要なの?いつからいつまで摂取しなければならないの?

なぜ妊娠に葉酸が必要なのかというと、胎児が神経管閉鎖障害となるリスクを下げることができるからです。

神経管は生後6週頃に完成します。この管は赤ちゃんが成長していくにつれて頭の方は脳に、お尻の方は脊髄へと分かれていくのですが、この一部がうまく閉じなかった場合に起こるのが神経管閉鎖障害です。神経管閉鎖障害は、無脳症と二分脊椎に分類されます。

無脳症とは神経管の頭側が閉鎖しなかった場合に発生する病気で、重症なために流産してしまうこともよくあります。二分脊椎は、脊髄馬尾神経が入っている脊柱管の一部の形成が不完全となっていることによって、脊髄馬尾神経が脊柱管の外に出てしまう病気です。 これによって、神経の癒着や損傷が生じてしまい、さまざまな神経障害が出現する可能性があります。

これらの先天性異常を回避するために葉酸を摂取することが極めて重要であるといえるのです。

いつから葉酸を摂取すればいいの?

葉酸は、妊娠する4週間前から摂取を開始し、妊娠12週までの期間、毎日400μg=0.4mgを摂取をすることが必要です。また、妊娠中期・後期の葉酸推奨量は480μgとされています。

しかし、日本の女性は葉酸の摂取率がなかなか上がらず、2018年の時点での日本人の女性の葉酸摂取率は10~20%となっており、神経管閉鎖障害の低下は見られておりません。

葉酸は食事とサプリメントどっちで摂取したほうがいい?

葉酸は、食事からでもサプリメントからでもどちらから摂取をしても問題はありません。ですが、400μgの葉酸を食事から摂取するというのは意外と大変なものです

例えば、妊娠中期・後期の推奨量である480μgで見てみると、アボカドなら約3個、枝豆なら約93さや分を毎日食べなければなりません。特に妊娠初期で悪阻などに悩まされている中、口から食事を摂るということは大変です。効率よく推奨摂取量を摂取するならば食事とともにサプリメントも併せて利用されることがおすすめです。

葉酸は、もしも過剰摂取となってしまったとしても現在のところ過剰症などの病気は見られていません。しかし、1日に1000μg以上の葉酸を摂取すると、ビタミンB12欠乏症による巨赤芽球性貧血という病気を診断しにくくなるといわれています。若い人にはかかりにくい病気ではあるものの、何かあってからでは遅いため、接種推奨量を過剰に超える葉酸接種は控えておくとベストでしょう。

サプリメントならなんでもいいの?

葉酸のサプリメントはさまざまな製薬会社などから販売されているため、どの葉酸サプリメントを飲めばいいかわからないという方もいらっしゃるかもしれません。ここでは葉酸サプリメントを選ぶためのポイントをご紹介します。

まず見ていただきたいのが成分です。葉酸には、食品に含まれているポリグルタミン酸型とサプリメントに含まれているモノグルタミン酸型の2つの種類があります。ポリグルタミン酸型の葉酸吸収率は約50%といわれており、つまりは含まれている葉酸の半分の量しか体内に取り込むことができないということになります。一方で、モノグルタミン酸型の吸収率は約85%といわれており、高い吸収率が期待できることから、モノグルタミン酸型のサプリメントを選ぶようにしましょう

次に注目したいのが飲みやすさです。毎日飲むものですから、飲みやすいというのは最大のポイントとなるでしょう。特に妊娠12週まで飲み続けるとなると悪阻や体調不良の時にでも無理なく飲み続けるということがカギになります。例えばなるべく錠剤のサイズが小さいものですと、無理なく飲むことができますし、ニオイがない、味がしないものであればつわり中でも飲みやすいでしょう。

葉酸サプリメントのなかには妊活あるいは妊娠生活をサポートするために必要な成分がたくさん含まれているサプリメントがあります。この場合には葉酸の量が、接種推奨量分含まれているのかを見ることも必要です。また、亜鉛、ビタミンC、B6、B2、B12は葉酸の代謝と吸収をするうえで欠かせない栄養素です。そのため、これらの栄養素も一緒に接種できるサプリメントが理想的であるといえます。

妊娠1ヶ月前から葉酸を摂取すると考えるとどのタイミングから摂取するべきなのか悩んでしまいますが、妊娠を考え始めたタイミングで摂取すると考えると、分かりやすいのではないのでしょうか。胎児の先天的な異常を予防するためにも、妊娠を考え始めたら葉酸を積極的に摂っていきましょう。

監修:クリニックフォアグループ医師

参考文献

順天堂大学 https://www.juntendo.ac.jp/graduate/laboratory/labo/shonigeka/jsbss/topics/doc/folic_acid.pdf

日本脊椎外科学会 http://www.neurospine.jp/sp/original35.html#:~:text=%E4%BA%8C%E5%88%86%E8%84%8A%E6%A4%8E%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E8%84%8A%E9%AB%84,%E3%81%99%E3%82%8B%E5%8F%AF%E8%83%BD%E6%80%A7%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

日本先天異常学会 http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20180412_shuuchiirai13.pdf

エレビットhttps://www.elevit.jp/nutrition/

国立保健医療科学院 https://www.niph.go.jp/soshiki/07shougai/yousan/Q_A/q_a.html#:~:text=%E4%BA%8C%E5%88%86%E8%84%8A%E6%A4%8E%E3%81%AE%E8%B5%B7%E3%81%8D%E3%81%9F,%E5%89%B2%E5%90%88%E3%81%8C%E9%AB%98%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

関連記事