HIV・エイズってなに?感染経路や症状とは?

エイズという言葉は、性感染症のひとつとして聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。ですが、エイズという名前は聞いたことあるけれどどんな病気かが分からない、エイズとHIVは何が違うの?という疑問をお持ちの方もいらっしゃるようです。

今回はエイズがどんな病気であるのかを詳しくご紹介します。

エイズってどんな病気?HIVと何が違うの?

エイズとは、Acquired Immuno-DeficiencySyndromeという英語表記の頭文字を取って、AIDSと表記されます。日本語では後天性免疫不全症候群といい、免疫機能が著しく低下する状態のことを指します。日和見感染といい、健康な時には絶対に感染しないような非常に弱い菌にも感染してしまうほど免疫力が落ちてしまっており、厚生労働省が定めた23の疾患※のいずれかに罹った時点で、AIDSと診断されます。

エイズの感染動向を見ていくと2016年末時点での日本での新規感染者及びAIDS患者数は累計で2万7千人、世界中での感染者はおよそ3670万人、年間180万人の新規感染者と100万人のAIDSによる死亡者が発生しており、医療が発展した現在においてもまだまだ軽視できない感染症であると考えられています。

エイズとHIVの違いについてご説明する前にHIVとは何かについてご説明します。HIVとは、ヒト免疫不全ウイルスといいます。これでお分かりいただけたかと思いますが、HIVとはウイルスの名称、エイズとは、HIVに罹患したことによって発症する病気の名前のことを言います。HIVに感染すると、Tリンパ球やマクロファージといった免疫細胞へと感染します。するとこの細胞の中でHIVは増殖をしていき、だいたい1日で100億個ウイルスが増殖していくとしています。そうすると、感染した細胞たちは、平均して2.2日ほどで死滅してしまい、通常の免疫機能を担えなくなるため、感染者の免疫機能はどんどん衰えていき、エイズを発症してしまうのです。ですが、HIVに感染した方がすぐにエイズとなってしまうとは限りません。

HIVに感染してから、通常6~8週間経過すると、血液中にHIVの抗体が検出されるようになります。そして、感染から数週間以内にインフルエンザに似た症状が出ることがあります。HIV感染後、無償後期と呼ばれる自覚症状のない時期が数年続き、さらに進行すると免疫が低下し、エイズ発症と診断されます

つまりエイズを発症するまでには年単位で時間がかかるため、どこかのタイミングで自分の身体の異変に気付けて、HIV抗体の検査を受けることができれば、HIV感染を早期に発見でき、治療が受けられればエイズにまで至ることなく済むということなのです。

特に、感染初期の段階で見られるインフルエンザに似た症状と、性感染症が同時に起こった場合にはHIVに感染していることを念頭においたほうがよいという旨を、国立感染症研究所でも示唆しています。

エイズになるどうなるの?

エイズになると、先ほどもご紹介したように免疫細胞がウイルスに則られていることから、免疫機能が落ちていき、日和見感染をしてしまいます。

一昔前までは、エイズになると死を連想される方も多かったのですが、現在は治療も普及してきているため、適切な治療を受けることで日常生活を維持していくことも可能ですので、もしもHIVへの感染が分かったあるいは、日和見感染症にかかったら早めに医療機関を受診してください。また、近年、エイズ患者さんやHIV感染者の方に軽度の認知症例患者さんが増加している傾向にあり、HIV関連神経認知障害として注目されています。入院加療が必要になったり、薬を飲み忘れてしまうことで適切なHIVの治療ができずにエイズが進んでしまうということから、エイズによる認知症は特に危惧されています。

エイズの原因となるHIVの感染経路は?

HIVは血液や体液を介した接触をすることで感染します。HIVの感染経路は、主に性的接触、HIVに感染している母親の胎盤や産道や母乳を介した母子感染、血液によるものが考えられています。血液によるものでは輸血、臓器移植、医療事故、麻薬等の静脈注射などが上げられます。

HIVの感染率ですが、最も感染する確率が高いのが輸血で、90%の確率で感染します。これ以外は、感染率が非常に低く、麻薬やドラッグ注射などによる注射針の使いまわしによる感染が0.67%、アナルセックスが0.5%、医療従事者の針刺し事故が0.3%、膣を使った性行為で0.1%、フェラチオで0.01%とされています。

また、唾液や涙などに含まれるウイルス量は非常に微量であり、HIVは体外に出ると不活化して、感染力が非常に弱まります。そのため、お風呂やタオルの共有で感染したというような報告は現在のところもありません。キスも口腔内に傷口などがなければ感染しませんし、蚊も体内でHIVウイルスが不活性化するため、HIVに感染している人が刺された次に蚊に刺されたとしても感染しません。

エイズの治療方法は?

感染したHIVを体内から完全に消し去るということは現在の治療ではできません。そのためエイズの治療は、抗HIV薬を服用して免疫細胞の中でHIVウイルスが増殖していくことを抑えるという治療になります。これに加えて日和見感染症そのものの治療を受けることが必要です。また、HIVの段階で早期に発見ができればエイズにまで移行する速度を格段に遅くすることができます。

HIV検査は全国のほとんどの保健所等で無料・匿名で検査が受けられます。医療機関では有料ですが検査を受けることができ、医療機関によっては検査結果を即日で出すこともできますので、気になる方は居住地域の保健所もしくは医療機関へご相談ください。

エイズの予防方法は?

エイズを予防するためには、HIVの感染を予防することが必要です。感染経路にあたる性的な接触や、血液や体液の媒介を予防することができれば、HIVを予防でき、エイズの予防へとつながります。この感染予防の中で私たちができるのは性的な接触からの感染です。

性行為時にコンドームを装着することで高い確率で感染を予防することができます。そのため、性行為の際にはコンドームを装着し、口の中や膣の中、性器にキズがある際には、その部分を使用した性行為を控えることがおすすめです。特に生理中の性行為は血液と接触するため、HIVへ感染する確率が高まりますので、控えましょう。また、不特定多数との性行為や、知らない相手との性行為では感染する可能性を高めてしまう可能性があります。

公開日:10月12日 監修:クリニックフォアグループ医師

参考文献

国立感染症研究所 https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/400-aids-intro.html

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-07.html

https://www.hivkensa.com/mb/whatis/

公益財団法人エイズ予防財団 https://api-net.jfap.or.jp/knowledge/index.html

岐阜県 https://www.pref.gifu.lg.jp/kodomo/kenko/kansensho/11223/aids-kansen.html

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