出産後のママは注意!産後うつの特徴と対処法について

出産をして育児に奮闘されているママに特に気をつけていただきたい産後うつという病気をご存知でしょうか。今回は、産後うつについて詳しく解説していきます。

産後うつって何?

産後うつとは、出産後6~8週の間に発症するうつ病のことをいいます。罹患率はおよそ10%ほどであり、約10回の出産に1回の割合で起こると言われています。特に産後3ヶ月までは発症する可能性があり注意しておきたいうつ病です。

産後うつ病になりやすいのは、過去にうつ病になったことがある、妊娠中にうつ病と診断された方のほか、パートナーからのサポート不足など育児環境要因による影響、望まない妊娠等が考えられています。特に産後は赤ちゃんのお世話で自分のペースで生活できなかったり寝不足や栄養不足なども重なったりしてストレスとなることが増えます。

ストレスとなることが増えて来ることに加えて出産によるホルモンバランスの乱れによってストレスに耐える脳の抵抗力が低下してしまいます。そのため普段よりも物の見方が否定的となり、産後うつになりうると考えられています。

産後うつ病の症状は?

産後うつ病の症状は、疲労感、不眠、不安、緊張、パニック、イライラする、未来への希望を持てない、集中力や記憶力が弱くなる、気分が変化しやすい、せわしなく動いてしまう、興味に欠ける、自分を責めてしまったり情けなく思ったりする、食欲がなくなる、子供や夫に愛情を感じなかったり愛情をもてなかったりするということが当てはまります。

これらの症状が2週間以上続くと産後うつ病の可能性が高くなります。

産後うつ病とマタニティブルーは違うの?

産後に産後うつ病と似ている状態となるマタニティブルーという状態があります。マタニティブルーとは、産後数日後、主に1週間後に一時的に現われて1~2週間ほどで消える、軽い気分の変化のことをいいます。不安になったり、涙が出たり、気分が沈んだりといった症状が出てくるのですが、気分が良い日もあり、すぐに消えることが特徴です。

それに対して産後うつ病はいろいろな症状を併発しており、その症状が2週間以上続くことが特徴です。また、マタニティブルーを経験している方は産後うつになりやすいという特徴もあるため、マタニティブルーを経験した方は特に注意が必要です。

産後うつになるとどうなるの?

産後うつになることで危惧されていることは2つあります。1つは、母親の自殺です。自殺した産婦のうち約6割が産後うつ病であったという結果が出ています。

もう1つが子どもとの関係性です。産後うつ病により、子どもを育てられない、関われないという方もいらっしゃいます。そうすると母子の愛着形成に影響が出たり、子どもの成長発達へと影響が出ることもあります。さらに、最悪の場合、子どもを虐待してしまったり、子どもと一緒に心中してしまう方も出てきてしまいます。

こういった状態となる前に、自分の状態に気づいて精神科を受診して医療的なケアを受けることが望ましいと日本産科婦人科学会では考えており、特に妊娠中から産後に至るまで長期的にメンタルケアに力を入れる産院が増えてきています。

産後うつ病かもと思ったらどうすればいい?治療方法は?

産後うつ病の症状が当てはまるという方や、夫など家族からうつ病の可能性を指摘された場合には、医療機関を受診して診察を受けることが必要です。

産後うつ病の治療には薬物療法がおこなわれることが多いのですが、母乳で育児をされている方はその副作用などを心配される方もいらっしゃるでしょう。育児に影響が出ないあるいは、その方の体調に合わせたお薬が使用されますので、薬の処方がされる場合には受診された医療機関の医師とよく話し合われるとよいでしょう。薬は、ある程度継続して服用していく必要があり、すぐに治るという溶離も長期的にゆっくりと治療を行っていくと考えておくとよいでしょう。薬を使用しない治療方法として認知行動療法や対人関係療法といった治療方法もあります。

産後うつ病は早期に適切な治療を受けないと、状態が悪くなったり治療に時間がかかったりします。産前と比べて自分の状態がおかしいと感じた時や、家族から指摘を受けた場合には出産後で育児も大変な中、医療機関を受診することが難しいということは承知ですが、なるべく早く医療機関を受診されることをおすすめします。

産後うつ病の予防方法はあるの?

産後うつ病は予防をすることができます。その方法は、産後1ヶ月はなるべく養生することです。特に日本では、床上げといい母親は産後21日までは、できるだけ横になってからだを休めるようにという古くからの教えがあります。実家に帰って家族のサポートを受けながらゆっくりと休養したり、夫から協力を得たりして産後1ヶ月は家事や育児をせずに自分自身の身体を休める時間にしましょう。また、産後1ヶ月経って1ヶ月検診を受けてもまだ体の回復が充分ではないのならば、引き続き休養を取ることが必要です。

母親だから完璧でなければならない、母親だから他の人の力を借りずにやりきらねばなどと思わずに周囲の方の力を大いに活用して、自分自身をまずはしっかりと休めるようにしましょう。

監修:クリニックフォアグループ医師

公開日:10月3日

参考文献

厚生労働省 https://kokoro.mhlw.go.jp/case/644/

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-001.html

北九州市 http://www.ktq-kokoro.jp/lecture/1650

日本周産期メンタルヘルス学会 https://pmh.jp/information/leaflet_mother.pdf

日本産科婦人科学会 https://www.jaog.or.jp/qa/confinement/jyosei200311/

新潟県医師会 https://www.niigatashi-ishikai.or.jp/newsletter/director_word/201908283060.html

https://www.rcpsych.ac.uk/mental-health/translations/japanese/postnatal-depression

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