PMSを放置している人へ。三輪綾子医師からのメッセージ

毎月のようにやってくる、生理前の不調。いつの間にか、当たり前になっている人も多いのでは…?とりあえず我慢しているけど、これって治さなきゃダメなの?産婦人科専門医の三輪綾子先生にお話を聞きました。

先生、PMSって放置しちゃだめなんですか?

もちろん放置してもいいものではありません。PMSの改善はQOL(生活の質)を上げることにも繋がります。
PMSに向き合うことは「生きづらさを解消する」ということ
PMS(premenstrual syndrome:月経前症候群)は改善した方がいいんですか?とよく聞かれます。答えはYES。1ヶ月のうちでたったの2〜3日我慢すれば…と思うかもしれませんが、1年間で換算するとおよそ1ヶ月にもなります。もちろんPMSの症状や程度、続く期間には個人差がありますが、心身ともにかかっている負担を極力減らしてあげることで、日常生活に余裕が生まれます。
症状が痛みとして現れていなくとも「なんとなくの不調」を感じながら毎月数日過ごすのは、生きづらさでもあると思うんですよね。そんな「生きづらさ」から解放してあげることは大事なことです。
中には、PMSは生理がくる前兆と捉えて対策しない人もいます。自分が辛くなければ放っておいてもいいのですが、それによって少しでも仕事や勉強のパフォーマンスが落ちてしまうようであれば、できる限りの対策をしてあげた方がいいでしょう。
本人が痛いと感じたら、それは病気
どのくらいの痛みだったら我慢していい?という質問もよく受けますが、「このぐらいの痛みだったら我慢できる」とかではなく、痛いと本人が感じていたならそれは病気として判断します。QOL(Quality of life:生活の質)を向上させるためにも、非常に意味のあることです。
PMSの治療は「気づくこと」から始めよう
大切なのは、自分の症状や悩みを認知すること。そして、まずは「偏った食生活を改善する」「自宅でゆったりと過ごす時間を作る」などといった日常生活のケアからスタートしてください。それでも改善されない悩みがあるときは、遠慮せずに婦人科に来てくださいね。