体外受精ってどんな治療?治療の流れは?

不妊治療の1つである体外受精。これから体外受精を使用と考えている方、また体外受精がどういった治療なのかを知っておきたい方に向けてここでは体外受精とはどのような治療方法なのかを詳しく解説します。

体外受精を行うケースとは?何歳から考え始めるべき?

体外受精とは排卵前の卵子と、男性の精子をあらかじめ取り出し、体外で受精をさせて子宮内に戻すという治療方法です。体外受精を含む生殖補助医療による出生児は全世界で800万人を超えたともいわれ、生殖医療の中でもかなり一般的になりつつある治療方法です。

体外受精はいきなり行うということは少なく、まずは排卵の時期を見て行うタイミング療法から始まり、人工授精という経過を経て体外受精へとステップアップしていきます。ですので、この経過を経て体外受精を検討される場合は年齢や病気の有無など特に制限をかけられるものではありません。検査をして例えば卵管が癒着などを起こし卵子と精子が出会えないという場合など明らかに不妊の原因が判明しているという場合にはそのまま体外受精からスタートすることもあります。

体外受精による妊娠率は国単位でのデータは公表されておらず、各施設単位でのデータで公表されていることがほとんどです。施設単位で公表している妊娠率のデータを見ると共通して言えることが一つあります。それは、自然妊娠と同様に年齢が若ければ若いほど妊娠率が高いということです。

 

また、妊娠率だけでなくもう1点注目したいのが、採卵個数です。後ほど詳しく解説しますが体外受精をするためには排卵前の卵を採卵しなければなりません。もちろん、卵子のグレードなどもありますがやはり数が多いことに越したことはありません。若い方の場合、お薬を使って排卵を誘発した後取れる卵子の数が非常に多い一方で、年齢を重ねれば重ねるほどとれる卵の数も減ってきて、その分、妊娠できる確率も低下していきます。

これは体外受精だけでなく人工授精の場合も合わせているデータにはなりますが、治療あたりの出産率でみると、32歳ぐらいまではほぼ一定で、約20%ほどですが、33歳より高齢になると徐々に下降し1つ年を重ねるごとに約1%の低下がみられています。さらに37歳からは下降率も急激となり1つ年を重ねるごとに約2%低下しています。

さらに39歳では治療開始周期あたりの出産率は11.5%ですが、40歳では9.3%、44歳で1.8%と40歳を超えると治療をしても子どもを設ける可能性が低くなります。くわえて、妊娠後の流産率をみると、33歳ぐらいまでは約15~19%で推移しますが、34歳から徐々に上昇し37歳ぐらいからは急激な上昇となります。39歳で30.6%、40歳で33.6%、43歳で49.3%となっています。

ですので、もしも体外受精にステップアップを検討しているのであれば早い年齢のうちから検討しておくとよいでしょう。

体外受精の流れは?

体外受精を初めて行うという方に体外受精の具体的な流れをご紹介します。まず、体外受精をしたいとなったら医療機関を受診し、その旨を相談し、子宮内の状態など一通りの検査を受け、体外受精についての説明を受けます。同意をされればまずは採卵の周期に入ります

採卵は排卵誘発剤というお薬を使用して卵胞を育てる方法と普段通りの生活を送り自然に卵胞を育てていく方法があります。どちらで行うかは医師と相談して決定をします。卵胞を育てていきながら卵胞の状態を観察し、排卵をする前に、採卵をしていきます。採卵に合わせて男性も精子を採取します。

その後、医療機関側で卵子と精子を受精させます。受精方法は、卵子に精子を振りかけて受精をさせる方法と顕微鏡を使用して人工的に受精をさせる方法がありますが、これも医療機関側で卵子と精子の状態を見て判断をします。受精が成立し、受精卵となったモノをさらに培養して成長させていきます。発育した受精卵を子宮の中に戻し、お薬を使って受精卵が着床しやすいようにホルモンバランスを維持していきます。

受精卵を子宮内に戻してから1~2週間後に再度医療機関を受診して妊娠が成立したかどうかのチェックを行います。

子宮内に受精卵を戻す場合、採卵して受精したばかりの新鮮な受精卵を移植する方法と、受精卵をいったん凍結保存して移植する場合があります。どちらの方法を使用するかも医師へ相談して決定します。

平均的な体外受精の費用は?

体外受精は、自費診療によるものですのでその費用は医療機関によって異なります。採卵~移植(子宮内に受精卵を戻すこと)まで一通り行うと、数十万円かかります。また、このほかに受精卵を凍結保存した場合にはそのお金もかかります。医療機関によっては成功報酬といい、治療した段階では数十万円のお金を取らず、妊娠が成立したあるいは心拍が確認できた等治療が成功した段階で治療費を取るところもあるようです。どのくらいの費用をどの段階で支給するかは医療機関によって異なるということなのです。

厚生労働省では、体外受精を行ったカップルに対して特定治療支援事業を行い、医療費の一部を給付しています。給付金額は医療機関によって異なりますのでご自身の居住する都道府県のホームページ等をご確認ください。また、今後政府は不妊治療に対する助成をさらに充実させる方向性としているため、今後さらに金銭的な負担が少なく治療を受けられるようになってくるかもしれません。

更新日:2021年1月4日

監修:クリニックフォアグループ医師

参考文献

一般社団法人日本生殖医学会 http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa12.html#:~:text=%E4%BD%93%E5%A4%96%E5%8F%97%E7%B2%BE%E3%81%AF%E3%80%81%E6%8E%A1%E5%8D%B5%E6%89%8B%E8%A1%93,%E3%81%AB%E8%83%9A%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000314vv-att/2r985200000314yg.pdf

https://www.ferring.co.jp/infertility/treatment/in_vitro.html

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